皆さんの大好きなリフトアップの方法とその違いをご説明させて頂きます。
今回は懇意にしているAccuTuneのブログに大変分かりやすい記事があったので要約してご紹介したいと思います。下記リンクでソース元に行けます。
***Excerpt from AccuTune
まずはリフトアップのカテゴリーは大きく分けて3つの方法に区別されます。
①レベリングリフトと呼ばれる1~3"程度のリフトアップ
②ブラケットリフト(メンバーダウン)と呼ばれる4"~以上のリフトアップ
③ボディリフト
今回はレベリングリフトについてご説明をしたいと思います。
レベリングリフトにおいても3つのカテゴリーが存在しています。それが下のイラストになります。

左から説明していきますがSTCOK=純正のノーマル状態という認識で結構です。
次に簡易的かつ安価な方法でリフトアップをする手段としてよく用いられるのがTOP HAT SPACER(コイルオーバースペーサー)と呼ばれる方法です。
APTCOが推奨する安価で簡易的な方法はPRELOAD SPACERと呼ばれる方式でWestcottのPRELOAD COLLARやFOXやBILSTEINのHEIGHT ADJUST SHOCKがその方法です。
ADJUSTABLE COILOVER PRELOADはKINGやFOX等のOEMコイルオーバーショックに換装してリフトアップすする方法ですが理論はプリロードスペーサーと同様です。
ここからは各SHOPのポリシーなので誤解のない様にお願いしたいのですが・・・
APTCOでは何故TOP HAT SPACERを推奨しないのかを簡単にご説明したいと思います。
まずは下記のアニメーションをご覧ください。
(TOP HAT SPACER)
一番簡単で安価なリフトアップ方法として認知されている方法

分かりやすく説明するとTOP HAT SPACERでは純正のバンプストップが機能する前にフルバンプでショックが底突き(ボトムアウト)状態になってしまいます。またフルドゥループ(ショックが伸びきる状態)するとアッパーアームがコイルオーバーに干渉してしまうのと4WD車の場合はCVジョイントやタイロッドエンドのボールジョイントを損傷する可能性があります。ボトムアウトやフルドゥループでショックのストロークを物理的に止めてしまう衝撃がバンバン来る乗り心地の原因にもなっています。実はこのリフトアップはメリットは見た目だけでリスクを背負ったままの状態で走っているという事になります。
(PRELOAD SPACER)
Westcott のPRELOAD COLLARがこの方法です。

これはコイルオーバーショックの長さは変わらずにスプリングにスペーサーを挟む方式なのでバンプストップがきちんと機能してくれるためボトムアウトする事をきちんと防ぎます。フルドゥループ時でもアームがコイルオーバーに干渉することもありません。プリロードスペーサーを挟む事でスプリングにテンションをかけてバネの反発を強くしてリフトアップするのがこの方法です。若干バネは硬くなることにはなりますが許容値内なので乗り心地が極端に悪くなるような感じにはなりません。あくまで純正のサスペンションと同じ動きをするという事です。
(ADJUSTABLE COILOVER)
KINGやFOXのOEMコイルオーバーによるリフトアップがこちらです。

STOCKのショックからOEMのパフォーマンスショックに換装することでショックの伸縮量(トラベル量)が増加します。純正バンプストップの位置は変わらないので縮み側(コンプレッション)のストローク量は純正ショックと変わりませんが、伸び側(リバウンド)のストロークが増えることになります。それに伴いアッパーアームとコイルオーバーの干渉を防ぐために社外のアッパーアームに交換する必要が出てきます。リフトアップの方法はプリロードスペーサーと同じ原理でスプリング上部のコイルプレートを無段階で位置を調整することで任意のプリロードで車高調整が可能となります。デメリットは財布に優しくないところです。
余談ですがサブスクBLOGにはこういったサスペンションのセオリー等を深掘りしたりPRERUNNERのロングトラベルサスペンションについて過去の製作車輌等のエピソード等を交えてマニアック向けな内容になっています。ご興味がある方はタバコ1箱を我慢して一度読んでみてください。
TOP HAT SPACER =コイルスペーサーのリスクについてはご理解を頂けたでしょうか?
あくまでもコスメティックなカスタムとして街乗りONLYのリフトアップという事であれば問題は無いと思います。街乗りでフルバンプやフルドゥループする事もないでしょうし無理な事をしなければ大丈夫だとは思います。パーツの取り付けをしているSHOPさんがリスクや影響についてきちんと理解をしていてオーナーさんにも事前に説明をされているのであれば安心だと思います。
リスクについて認識をして頂くために過去の事象をご紹介しておきます。
2005年頃はタコマやFJがラインナップされてコイルスペーサーリフトでリフトアップするのがブームみたいになっていましたので3”以上のリフトアップをして走っていたらこうなった的なFAIL画像がチラホラとフォーラム等で話題になっていました。それが下にご紹介する様なケースです。これは社外のアッパーアームを装着することで回避することが可能ではあるのですが過度なリフトアップはキャンバー調整に支障が起きるためAPTCOではレベリングリフトは最大2.5"までというのが暗黙のルールとなりスペーサーリフトについてには懐疑的になったという流れです。

流石に日本国内でこのケースは見た事がありませんが無理なリフトアップと大径タイヤでオフロードを走ったら下の写真の様にショックの付け根が曲がったり折れたりとかが頻発していました。ご覧のとおりTRDグレードのトヨタ純正採用のBILSTEIN B6です。間違った知識でリフトアップを行えばBILSTENショックでもこうなってしまうというリスクがある事を覚えておいてください。

安くて簡単にリフトアップ出来てカッコ良くなるバジェットリフトは人気が出るのも理解出来るのですがあくまで外見だけのコスメティックなリフトアップ方法である事、無理な走りをすれば上の写真の様になる可能性がある事をよく理解しておく事が必要です。
高額な車輌だけにパーツの選択はもちろんリフトアップの方法についても担当のSHOPさんとよく話し合って理想的なカスタムを楽しんで頂けたらと思います。

安全にカッコよく楽しく、そして自己満足なカスタムを楽しみましょう。