SHOCK SERVICE
- APTCO HQ
- 4月7日
- 読了時間: 3分
購入して15年間ノーサービスだったKINGショックのオーバーホールをご依頼頂きましたので作業の模様を軽くご紹介したいと思います。
KING 2.5" SMOOTH SHOCK/ PIGGYBACK REMOTE RESERVOIRです。2009y F150のREAR OEM SHOCKとなります。

バイスに挟む際にショックを上下に振るとチャポチャポ音がしていました・・・
まずはガス抜きをしてショックを分解していきます。ちなみにガス圧は40PSIしか入っていませんでした。
チャポチャポ音が気になるのでまずはリザーバーから分解します。キャップを外すためにCリングを外すのですがキャップが固着して全然動かないです。これはCリングが錆びてシリンダーとキャップが固着するものでノーメンテナンスのショックあるあるです。
なんとかリングが外れたのでシュレーダーバルブツールを使ってキャップを引き抜くのですがこれがまたメチャクチャ渋くて全然キャップが抜け出てこない・・・その結果、バルブフィッティングが折れるというね。これもたまにある事なのでシュレーダーバルブを新品に交換しました。

キャップの外れたリザーブタンクの中はこんな光景でガス室にショックオイルが流入してしまっています。もはやガスも抜けてオイルも混入して正常なKINGのショックアブソーバーとしての機能は皆無です。

オイルを抜き取ってからリザーブタンクをショックボディから分離して洗浄パーツ交換です。各種Oリングの交換と洗浄、錆取りをして組立ます。

今回はせっかくのオーバーホールという事なので追加でシムスタックのチューニングをリクエスト頂きました。まずはピストンから上下のシムスタックを外してベースとなるストックのスタックデータを調べます。

シムの厚みやサイズを変えてスタック(積み重ねる)をチューニングしてショックピストンの上下動(コンプレッション側とリバウンド側)のスピードを変化させる事でサスペンションワークを任意に調整する事が可能です。
シムの調整方法についてはショックビルダーさんの経験値や方法論があるのでまずは相談してみてください。セオリーは一緒ですが車両によっても異なりますしバネレートやCOG(重心位置)、リフトアップ量等によってもセッティングの仕方が異なるのでビルダーさんと良く話し合ってどうするかを決めると良いと思います。

スタックレシピが決まったらショックピストン等のオーバーホールに移ります。
さすが15年ものは見た事のないレベルの汚れが堆積していました。ダストキャップのシールの色の違いを見れば一目瞭然ですね。ヘドロってました。

段差の度にカチカチ音がするとの事でしたのでブッシングも交換させてもらいました。
アッパー側のブッシングはPTFEが摩耗しきっていてボールがグラグラになっていたのでこれが異音の原因でしょう。ロワー側も似たような感じでした。F150のリアは一般的なショックレッグとは異なる珍しいウェルドループスタイルなんです。

内部構造等はフルリフレッシュしたのでショックを組み立ていきます。

結構大胆なシムスタックにしてみたので乗り心地にどう変化が出るか楽しみです。
KINGもFOXもチューンナブルなショックアブソーバーなので乗り味を変えたいとか、こういう用途で使いたいからこうしたいとかニーズに合わせたショックチューニングを楽しむ事が可能です。

HIGH SPEEDなのかLOW SPEEDなのかDIRTなのかCRAWLなのか自分の目指すゴールが決まっている方は是非トライしてみてはいかがでしょうか。