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UNIBALL REPLACE

更新日:2 日前

今回はロングトラベルサスペンションのサービス事例についてご紹介します。

ステアリングを切る際や走行中に足回りからギシギシ音がするという事で現車を確認したところロワーコントロールアーム(LCA)のピボットブッシュ付近が異音の発生源という事が確認出来たためサスペンションの分解を機にユニボールの脱着交換というオファーを頂きました。


TOYOTA HILUX SURF 215 / CAMBURG LT

実は入庫前にロワーのキングピンボルトが破断してしまい左フロントが脱輪&CV破損という状態でレッカー入庫するというハプニングがありました。という事で今回はブッシングユニボールの交換だけでなくCVアクスルの修理も追加されています。


まずはサスペンションを分解していきます。

LCAのピボットブッシュの打ち替えは車体から外さないといけないのでブレーキ周り、ナックルを分離してLCAとCVアクスルを引き抜きます。

アッパーコントロールアーム(UCA)はナックル側のユニボール交換なのでこのままでプーラーを使って脱着しましたが車体側のデルリンブッシュ目視では特に問題なさそうでしたががややヘタリ気味の様なので交換時期は近いかなと思いました。KINGについてはフルドループでコイルが遊んでしまっていたので本来ならヘルパーを入れたいところですがリミットストラップでリバウンドストロークが制限されているので問題はないという事でしょう。


UCAのユニボール(スフェリカルベアリング)のスペック

FK ROD / COMH-20T でした。

LCAのナックル側のユニボールのスペックも同様です。

上のユニボールとナックルを締結するキングピンボルトが破断するケースは以前09タンドラでも経験があるのでCAMBURGのLTユーザーは留意が必要かもしれません。

12PointのAIRCRAFT GRADEの超合金素材のボルトですが大径タイヤにハンドル動作とバンプの吸収でストレスの一番かかる部位ではあるので金属疲労が起きるのも仕方のない所です。ナイロンロックナットを使用していますがフルステアを多用する人はチェックマークを入れて定期的に増し締めをしたり日頃から点検をしておくよう心がけましょう。


今回の異音の原因となっていたLCAのピボットブッシュの交換です。

マニュファクチャーによってはデルリンやウレタンブッシングを採用しているところもありますがCAMBURGはユニボールを採用しているためプーラーで外して新品を圧入するスタイルです。

このベアリングが異音の原因になっていてPTFEが切れてボールの脇からはみ出しており、ボールにも焼き付きの跡がありました。

こちらのベアリングのスペックは

FK ROD / AIN-16Tでした。AINはプレシジョンシリーズのHDモデルになります。片側のアームに前後で2個圧入されています。


今回は左右アームのユニボールを全交換したので合計8個のユニボールを交換しました。真ん中の4つのユニボールの左側2個に表面に焼き付きの跡があるのが見えるでしょうか。緩摩擦衝材であるPTFEが消耗する事でスリーブとボールが直接干渉して異音が発生していたという事です。

ちょうど良い機会なので自分の経験則ですがユニボールのメンテナンスについて少し見解を述べておきたいと思います。


まず基本的にはCAMBURGやDIRTKING、TOTALCHAOS、ICON他等のUCAに採用されているこのようなオープンタイプのベアリングのメンテナンスについては諸説ありますが私の経験から言わせて頂くと2つのキーワードが重要だと言えるでしょう。


◾️1つ目は「ドライサーフェイス」です。これは滞留型のグリースや液状のグリースではなくボールの表面を常にドライコンディションに保つという事です。PTFEライナーはフッ素化合物なので同系のフッ素系潤滑スプレールブを勧めています。APTCOではWAKOSのバイタスドライを推奨しています。もちろん他のグリーススプレーでも良いのですが表面をドライにしておかないとゴミやダストを巻き込んでしまい結果的にはPTFEやボールの表面を摩耗する原因になるためドライがお勧めだという事です。

◾️2つ目は「キープクリーン」です。前述したようにドライであれば汚れを巻き込む事がありませんし、滞留型の湿感が残るグリースだと汚れが堆積してヘドロ化してしまいます。スプレーグリースを吹く前に綺麗にしてからグリースアップして余分なグリースは拭き取るようにしておくと良いかと思います。場所によってはベアリングの清掃がしづらい所もあるのでそういう場合は定期的にドライルブを使用してあげるのが良いと思います。


汚れを落とさずにグリスアップをすると下の写真の様にヘドロ化しますので洗車の際にでもメンテナンスをしてあげることをお勧めします。

LTに限らずレベリングリフト系のカスタムではコイルオーバーと一緒にUCAを交換している人が多い様なので該当する人は参考にしてみてください。


最近はパフォーマンスリフト用のUCAに関してはHD仕様のクローズドボールジョイントを採用するようになってきたのでメンテナンスが面倒だという人はそちらのUCAをチョイスすると良いかもしれません。


話を戻しますが、

4WDのロングトラベルサスペンションに限りこちらの作業が必要になります。CVアクスルの延長です。ロングアーム化に伴ってアクスルも延長する必要があるため延長されたアクスルシャフトを組み付け直す作業になります。今回はCVが損傷してしまったのでドナーとなる新品のCVを使って新たにアッセンブルします。

最近は延長済みのアクスルアッセンブリーが選べる様ですが今回は泥臭く分解してシャフトのみを交換する事にしました。実に数年ぶりにCVを分解してLT用のシャフトを組みました。

グリース地獄絵図になったのであまり写真を撮れませんでしたが無事に新しいCVハウジングに移設が完了してLT用のAXLEアッセンブリーが完成しました。

あとは元通りにサスペンションを組み付けて完成です。

KINGショックのガスをチャージして適正な1G車高の状態にしてからアライメント調整をして今回の作業は完成です。

これで元には戻ったので次はKINGのOHとシム調整をしてOFFを走りに行きましょう!という事で今回の修理事例は終了です。


そろそろリフレッシュが必要な車体も多いと思うのでお困りの際はご相談ください。





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